全体的には最後まで札幌のゲーム。ただ勝ったのは東京で、それは別に偶然でも何でもない。そんな印象の試合だったかな。
ダヴィがいない&パスサッカーの東京相手っていうことで、この試合の札幌は組織で勝負。高い位置で奪って素早く攻めよう、攻→守/守→攻の切り替えを早くしよう、っていう意図がよく出ていた。あとアンデルソンのポストが上手く、佐原が潰し切れなかったのが痛かった。そのせいもあってサイドバックが上がれず、特に徳永が絞り気味になって西大伍にそのスペースを使われた。
前半はショートカウンターとポストプレーからのサイド攻撃が機能していた札幌が東京を圧倒。それでも決め切れないからぶっちぎりの最下位にいるわけだが(笑)。
押さえ気味に入った東京は裏一本の単発攻撃またはミドルくらい。つまりはサイドバックが上がれないせいで厚みのある攻撃ができなかったわけだ。パスが何本か繋がって相手ディフェンスを絞らせる場面があったけど、ああいう時にサイドバックがサイドのスペースを使えればチャンスになったはず。それをさせなかったのが実はアンデルソンの脅威、って感じね。
赤嶺がもう少しキープしてくれれば多少はマシだったと思うけど、170cm台の選手にそこまで求めるのも酷か。2トップにして縦パスのターゲットを増やすのも手だったと思う。
個人的には、梶山の位置を下げてダブルボランチにして低い位置での繋ぎを安定させるとともに、浅利に最終ラインのカバーをさせることでサイドバックの上がりを促進する采配を期待、だった。前線の選手がムービングしてスペースを作っても、そこを使う後ろの選手がいない状態だったから。
後半ブルーノが入って結果的にダブルボランチ気味になってから少しは守備が安定して、パスが繋がった時にサイドバックが上がれるようになった。ブルーノや浅利が流れの中でDFラインのカバーをするような場面はなかったと思うけど、少なくとも安心感は出たらしい。
羽生投入の意図は短時間すぎてよく分からなかった。まあダブルボランチになって結果オーライ。前半数えるほどだった長友のオーバーラップから同点。攻撃の時間が少しずつ増えてDFラインが下がり始めた。
この時たぶん城福さんの目が「キラーン」と光ったと思う(笑)。札幌は弱点をさらけ出した。ゾーンディフェンスを敷く札幌の弱点とは4と4の間、つまりDFとMFの間の「グレーゾーン」。そのスペースに大竹を突っ込むわけだ。このピンポイント采配で勝負は決まったね。
前を向くスペースさえあれば大竹は何かやってくれる。一瞬右利きのシュートコースを切りに行ってしまった札幌DFのミスを尻目に、インサイドでコースを突いた「ゴールへのパス」。落ち着いてるねぇ。
こういう選手をユースから輩出できるのも東京の強みだね。エスカレータークラブとは違うのだよ。エスカレータークラブとは。
全体的には東京がお尻に火のついた札幌の攻勢を受けてしまった試合で、最後まで押され気味だった。でもやっぱりサッカーは「チャンスに決めきれる選手がいるかどうか」。東京が強豪に負けた時によく感じることだけど、今は札幌が感じてるだろうな。「これだけ内容が良くても勝てないんだ」みたいな無力感。
残念だが、札幌にはJ2が相応しい。ダヴィがいない今はもう終了だろうね。